この記事はマイクロマウス Advent Calendar 2024その2の21日目の記事です。
Amazonで買えるLCRメータを使ってモータを測定してみた
※測定周波数は約1kHzだった
MK06-4.5は定番のモータ。抵抗値が大きいので1セルではパワーを出しにくいけれど、2セル以上ではよい出力になる。残念ながらディスコン。
CL-0614-10250-7は吸引用に使われることの多いモータ。1セルではイマイチだけど、印可電圧が5Vくらいから吸引用として使いやすくなる。2セル以上では駆動用にもいいかもしれない。
NFP-D0812-1-3.7は最近使用者が出てきたモータで、高トルク低回転型。
M412PAは以前に流行っていた吸引用のモータ。軽量化を狙う1セルの機体にはいいかもしれない
Holyton HT02用モータは抵抗値が小さく1セルでも電流を流せてトルクが出せるため駆動用に使って2Gの加速ができた。また、吸引用モータとしても使用していた。
マイクロマウス2024
ターン調整のルーティン
この記事はマイクロマウス Advent Calendar 2024の1日目の記事です。
マイクロマウスのターン調整のルーティンを紹介。
できるだけ実走行を少なくして曲がりにくいターンから調整を行う。ターンの曲がりにくさは、斜めから斜めへの90度(V90)≧直線から斜めへの45度侵入>>直線から斜めへの135度侵入>>>その他のターンなので、直線から斜めへの45度を曲がれればV90も曲がれる可能性が高いし、その他のターンはまず曲がれる。
step1
ターンの目標速度を決める。マイクロマウス(ハーフサイズ)なら1セル吸引有りで1.3m/s、2セル吸引有りで1.4m/sくらいを狙える
step2
ターンシミュレーター(例)を使って直線から斜めに入る45度ターンのパラメーターを決定する。
シミュレーターはスリップ角を考慮するけれど、スリップ角は遠心力に比例すると仮定して、遠心力はF=m⋅v⋅ωなので、角速度に比例して機体の角度に対する進む角度を浅くするだけでそこそこ使える。
step3
実際に加速用の直線と斜め45度侵入、減速用の斜め直線のみの組み合わせを走らせて、停止位置を測る。
step4
実走行での停止位置とシミュレーションの停止位置が近くなるように、シミュレーターのスリップ角の係数を調整する
step5
シミュレーター上で目的の停止位置になるようにパラメーターを調整する
step6
調整したパラメーターで再び実走行を行い、停止位置を測る。
step7
停止位置が目的の位置になるように、ターンの前後距離を調整する
step8
走行ログを確認して、ターン中の角加速度と角速度が目標に追従しているかを確認する。乖離していればゲインを再調整する
もし、ゲインを調整しても角加速度が間に合わない場合、あるいはモーターへの制御量が100%担っている場合には、そのターン速度は実現できないので、目標速度を下げてstep2からやり直す。
step9
何度か実走行を繰り返して停止位置のバラつきを確認する。目標位置に対して各方向に±3mm程度に収まっていなければ、タイヤが不規則に滑っているので、step5に戻ってターンのパラメーターを振りなおす。シミュレーター上で別の角加速度と角速度の組み合わせを探す
step10
ここまでで合わせた(step5とstep7)パラメータをつかって、シミュレーター上で斜めから直線への45度脱出のパラメーターを作成する
step11
step4で求めたスリップ角の係数をつかって直線から直線の90度、180度のターンを作成する。
また、直線から斜めへの135度の侵入のパラメーターを調整して、そのパラメーターをもとに斜めから直線への135度脱出のパラメータを作成する
step12
シミュレータ上で斜めから斜めへの90度(V90度)のパラメーターを作成する。
step13
3個程度連続するV90度の迷路を作って走らせる。ここでは機体をぶつけながらの調整になるが、走行中の軌道を天カメで撮影することで少ない施行で調整を収束させるように努める。
以上で調整終わり。実際の迷路を走行しながらのターンの調整は行っていない
明日はアライさんによる釈明会見です。どしたん?話聞こか?
2セル対応バランス充電器
マイクロマウス(ハーフサイズ)に使用するリチウムイオン電池の容量は50mA/hから150mA/hの低容量の物で、それらに対してダメージを少なく充電するためには充電電流が小さい充電器が欲しくなる
低電流対応のバランス充電器を調べたので記録しておく
100mA対応
ISDT社 Q6 Nano
ISDT社 Q8
ISDT社 Q6 Retro
ToolkitRC社 M6D Series
ToolkitRC社 M7 Series
200mA対応
SkyRC社 B6neo
2セル用のバランス充電器は低電流での充電できるものが少ない。
一方、ここには記していないけれど1セル用の充電器は低電流対応のものが多いため、セルごとにコネクタを分けて1セル用の充電器でゆっくり充電する方が手軽に感じられる
続:1mmシャフトとベアリング
公差的には入るはずなのに選別しないと使えない1mmシャフトとベアリングの組み合わせ。
シャフトのメーカを変えても変化しなかった問題だったけれど、ベアリングをNSK社製に変えてみたらシャフトが普通に入った。
第41回マイクロマウス中部地区大会
激戦区であり怖いので近づかなかった中部地区大会に初参加する。
熟練者の多い地区だけあって、多い参加者をスピード感のある大会運営で裁いていた
全競技とも課題の難易度は高く、クラシック競技の迷路は最速経路が目視では判断つかないし、マイクロマウス競技の最速経路は斜めルートを臆せずに突っ切らないといけない。(片道探索にして走りやすい経路を選択したい気持ちもあった)
今回持ち込んだ機体は、Lipo2セルでは不足していたターンでのトルクアップを図って、さらに、直線走行の速度と距離の不具合も修正して結構早くしたもの。それでもなお中部大会はレベルが高く奮闘して5位(製作者順4位)、そして中部地区以外からの参加者に送られる特別賞「第三の勇者賞」を頂く。
去年から技術公開してた反射型エンコーダを採用した機体も少しづつ増えてきおり、その中でもFantom5thの構造が完成形のように見えた。
大会を運営してくださった中部支部の皆様、名古屋工学院専門学校の皆様、ありがとうございました
マイクロマウス北陸信越大会
食べ物の美味しい新潟で行われた北陸信越大会に参加してきた
大会の様子
個人成績は2位。最短走行で2回もクラッシュしたため5走目は祈るように見ていた
今回はマイナーチェンジとしてファンモータを大型のものに変更した。既存の回路では対応できなかったためパターンカットとワイヤジャンパーで必要な電圧をかけれるように改造。
大会を運営してくださった皆様。ありがとうございました
リポバッテリー
小容量&ハイレートなリポバッテリーの入手が難しくなった
Indoor Airplane World社でも売り切れているし、アリエクスプレスでも売り切れている
150mAhくらいの容量になると小型ドローン向けに入手可能だけれども複数セルを乗せると重さもサイズも気になる
50mAh/20Cのリポを3つで取り出せる電力は12Wくらいだろうから
50mAh*20C=1A、4.2V-1A*180mΩ=4V、4V*1A*3個=12W
150mAh/20Cのセルを1つ置いて昇圧を考えるとなんとか成り立ちそうか。ただしロジック側にも昇降圧電源が欲しい
150mAh/20Cのセルを2つ置いて少しだけ昇圧させる構成ならロジック側は降圧だけで済む、ただしバッテリが嵩張る
2024年度マイクロマウス関西地区大会
大阪電気通信大学で行われた2024年度マイクロマウス関西地区大会、今年のエントリは去年と同じ111台の大盛況で大きな大会となりました。スタッフ、来賓、参加者を含め皆様お疲れ様でした。
土曜の早朝から始まった会場設営は多くのスタッフのパワーによって迅速に進み、午後1時からは試走会が開始できました。
今年は3競技を並列して進めて競技時間を短縮するために3つの競技台も土曜日から準備して、撮影カメラも3セット組体制になりました。
クラシックマウスの試走ではスタートとゴール位置を2か所にして試走の行列のスループットを倍増させました。
個人の競技成績はクラシックマウスで完走、マイクロマウスでは思いも寄らない上位入賞で3位になりました。
吸引用モータ
CL-0614-10250-7を試してみる。結果リポの2セルあたりを直結して使うと良さそうな感触を得た
サイズが大きいため電力効率向上の可能性もあるけれど、Spangle v5.1は回路の都合で5Vまでしか印可できないので本モデルでの採用は見送り
3.6V印可時吸引力:25g 消費電力:168mA/7.2V(静止時、マイコンなどの電力含む)
5.0V印可時吸引力:59g 消費電力:197mA/7.2V
6.0V印可時吸引力:86g消費電力:185mA/6V(モータのみ)
6.5V印可時吸引力:98g消費電力:200mA/6.5V(モータのみ)
idle電流 67mA